科学技術

防衛大臣の資質問題に寄せて

Posted by hsaitoh on 2月 03, 2012
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わが県選出議員としては久しぶりの大臣である田中直紀防衛大臣の資質を問う声が、国会内外から聞かれます。

この資質問題について、挨拶回りやミニ集会をしておりますと、よく意見を求められますので、ここでも一言述べておきます。

まず田中氏の防衛大臣就任は、沖縄県民、沖縄県民以外の日本国民、田中直紀大臣御本人の全てにとって、不幸せな人事だったと思います。

さて、本題ですが、ここ数日の国会の質疑の模様をみておりまして、森博嗣(作家、工学博士)の言葉を思い出しておりました。

それは、「質疑応答では、答える者がいかに答えるかではなく、問う者がどのような質問を発するかが、実は問われている」という言葉です。

具体的には、田中大臣の資質を問う趣旨だったと思いますが、「ジョイント・エア・アンド・シー・バトルとは何か、メモを見ないで答えて下さい。」というものがありました。自民党の質問です。

「ジョイント~」とは、「統合エアシーバトル」とも言われ、弾道ミサイルなどの戦略兵器を有する相手国に対して、空軍(エア)と海軍(シー)とが陸・海・空・宇宙・サイバー空間をまたいで連携して、どのように対応能力を強化していくか、という米国の構想のことで、米国の同盟国たるわが国の国益保持と重要な関係のある構想です。

このように重要な構想ですので、新任の防衛大臣に対しても事務方から真っ先に説明があったはずですし、知っておいて欲しい、とは思います。

しかしもう一つ、私の率直な感想として、そのような知識クイズのような聞き方は、予算委員会という一国のあり方を議論する場で、政治家が閣僚に対して行う質問としては、不適切だったのではないか、と思っています。

問うとするならば、「弾道ミサイルなどの戦略兵器を有し、米軍のアクセスを拒否する能力を有している近隣諸国との有事に備え、米国がどのような構想を持っているか承知しているか。」であると思います。

そのような質問に対して、「米空海軍相互の連携による多空間をまたぐ対応能力の強化に関する構想」と回答できれば、一国の防衛政策のあり方を議論する前提の問題意識を共有できているかの確認としては、十分ではないでしょうか。

(もちろん、まったく何も答えられないようであれば、「そもそもジョイント・エア・アンド・シー・バトルをご存じないのですか?」という質問の仕方は、前提となる知識の有無を確認するため、やむを得ないとは思いますが。)

問う者の質問の仕方によって資質が問われた事例としてもう一つ、かの有名な「なぜ二番じゃダメなんですか。」というスーパーコンピューターの開発事業に関する事業仕分けにおける、蓮舫前行政刷新担当大臣の質問を挙げたいと思います。

いまさら言うまでもないことですが、科学技術とは、頂点が高いほど産業利用などの裾野が広がるのであり、その最先端の研究そのものに、採算性または経済的合理性を求めるのは誤りです。

しかし、その最先端の研究を支える組織に、不当な天下りなど濫費などの行政の正当性をそこなう行為がみられるおそれがあるのであれば、そのことは厳しく問うてしかるべきです。

したがって、蓮舫氏は以下のように問うべきでした。

「世界一を目指すのに、(スーパーコンピューター事業の実施主体である)理化学研究所計算科学研究機構に、天下りは本当に必要なのか。」

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